宏観現象。
「地平線の向こうは崖なの。そうなの。」
誰に吹き込まれたと言うことではなくて、そのように見えるのだろう。かなりの距離に渡って、視界を遮る緩衝緑地も防音壁もない。
水平線から雲が層を成して東の方へ押し流されている。トンビがキジバトのような重たい羽ばたき方をする。
ガス化したかと思えば飽和分が凝結、分子は粒状に成長するけれども羽毛のように軽く、上昇と下降、成長と霧散を繰り返す、目視可能、予測困難の膨大な水、なのだとか。
夏らしいと言えば、夏らしく。
「台風もあらかじめルートを教えてくれれば良いのに」
誰かに....吹き込まれたと言うことではなく。て