空の中から空の彼方へ
空の中には、たくさんの色や匂いや温度や、それにまた、なにか形のないものがあります。形がないので手にとることはできませんが、それらは体の表にも裏にもにまとわりついて、自己の存在を主張します。胸いっぱいに空気を吸い込むと、空の中と肺の中は一体になり、背を伸ばして見上げた空の中には、たくさんの血管が脈打っているのです。そして、吸い込んだ空気を思いきり吐き出すと、今度は自分のかけらが遠い遠い空の彼方で旅を始めるのです。
空の中には、たくさんの色や匂いや温度や、それにまた、なにか形のないものがあります。形がないので手にとることはできませんが、それらは体の表にも裏にもにまとわりついて、自己の存在を主張します。胸いっぱいに空気を吸い込むと、空の中と肺の中は一体になり、背を伸ばして見上げた空の中には、たくさんの血管が脈打っているのです。そして、吸い込んだ空気を思いきり吐き出すと、今度は自分のかけらが遠い遠い空の彼方で旅を始めるのです。