想い通ずる時
9 月下旬のある日の夕方、樅沢岳の山頂に立った時には、目の前に見えるはずの槍ヶ岳は濃い雲に包まれていました。 長い間ずっと見たかった風景でしたが 「今回は無理かな?」 と思いつつも、諦めずにじっと様子をうかがいました。 早くも霜枯れが始まっていたほどの寒さの中で、歯をガチガチと鳴らして震えながら 1 時間、1 時間半と、忍耐強く待ち続けました。 すると、突然、北の方角 (この写真では左) から前触れも無く強風が吹き始めました。 そして、濃い雲は強風によって、流れてきた方向に吹き戻され、槍ヶ岳が目の前に大きな姿を現したのです。 強い想いを持って諦めずに臨むことの意味をまた感じた瞬間でした。 (この山行で初めて使った SQ70 。 ノーファインダーでのこういった風景のフレーミングもしんどかったし ( VQ 1015 での経験以来)、フリーズが多くて泣かされました)